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第12話 ランニング・ロジック ―45歳PM、走る趣味を実装する― 第四章:環境変化への適応(夏用装備の導入) その3

装備のアップグレード

帰宅した私は、濡れたTシャツを脱ぎ捨て(その異常な重さに改めて驚愕した)、シャワーで汗を流してからパソコンに向かった。

 検索ワードは『ランニングウェア 夏 涼しい』『ランニング スマホ 揺れない』。

 画面には、「吸汗速乾」「ドライ機能」を謳うポリエステル製のウェアが並んでいた。その時、私はある商品画像に目が釘付けになった。  体にピタリとフィットする、黒いインナーシャツ。「コンプレッションウェア」と書いてある。

たいち
たいち

あ……これだ。コンプレッションウェアっていうんだ。

 記憶がフラッシュバックする。  2ヶ月前、私が初めて走り出した夜に遭遇した、あの速そうなランナー。  彼がTシャツの下に着ていたのが、まさにこれだった。

 当時は「あんなピチピチしたの、ガチ勢すぎて恥ずかしい」と思っていた。  だが、説明文を読んで納得した。  『汗を素早く吸収し、拡散させることで気化熱により体を冷やす』  『筋肉の揺れを抑え、疲労を軽減する』

 あれはかっこよさで着ていたわけではない。理にかなった「冷却システム」であり「疲労軽減装置」だったのだ。  夏にTシャツで走るのは、真夏にダウンジャケットを着て走るようなものだったのかもしれない。

 そして、スマホ問題の解決策も見つかった。「ランニングポーチ」。腰に巻く、伸縮性のあるベルト型のポーチだ。これなら体に密着して揺れないらしい。

たいち
たいち

買おう。これは贅沢じゃない。熱中症対策だ。

 私は、通気性の良さそうなTシャツと、例のコンプレッションインナー、そしてポーチをカートに入れた。

 数日後。新しい装備を身につけ、私は再び蒸し暑い夜の街に出た。

 風が吹くと、インナーを通して肌がひんやりとするのが分かる。汗をかいても、すぐに乾いてサラサラとした感触が続く。心拍数も、前回のようにすぐに上昇を見せることはない。暑いには暑いんだが、前回みたいにリタイアするほどじゃない。

 そして、腰に巻いたポーチ。スマホが入っているはずなのに、走っても、跳ねても、体の一部になったかのようにピタリと安定している。

 ストレスフリー。ただ不快なノイズが消えたことで、私は純粋に「走ること」だけに集中できた。あの時のランナーの背中が、少しだけ近づいた気がした。私は新しいギアの快適さに酔いしれながら、いつと同じように、夜の風を切って走り続けた。

 こうして私は、日本の夏という理不尽な環境を、文明の利器(ギア)によって攻略したのだった。


たいちには暑い中走ってもらいましたが、流石に30℃超えると、何しても暑いですよね。。。。フラスクも持たせてもう少し走らせようと思いましたがやめましたw

皆さんにおきましては、無理しないランニングライフを!

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